結果判定

  • 陽性の判断:
    食物経口負荷試験で摂取直後から数時間までに明らかな症状が誘発された場合に陽性と判定する。遅延型反応もあるため、翌日以降も症状の有無を観察するように指導し、その結果を加味して最終的に判定する。
  • 判定保留の判断:
    軽微な症状は主観的な症状の場合には、判定保留として再度の食物経口負荷試験または、自宅での反復摂取による症状の再現性を加味して最終的に判定する。

    Miura T, et al. Pediatr Allergy Immunol 2018; 29: 66-71.
  • 陰性の判断:
    食物経口負荷試験で症状が誘発されず、その後自宅での反復摂取により、確実に摂取できることを確認し、最終的に陰性と判定する。
    食物アレルギー診療ガイドライン 2016

日常摂取量(full dose)の総負荷量は小学生の1回の食事量を想定し、耐性獲得を確認する量を想定している。
乳幼児等では必要に応じて総負荷量を減量することを考慮する。
少量(low dose)の総負荷量は誤食などで混入する可能性がある量に設定し、ハイリスク例の初回の負荷試験を想定している。

食物アレルギー診療ガイドライン 2016

負荷の摂取間隔は20分以上が望ましい。

食物アレルギー診療ガイドライン 2016

食物経口負荷試験の実施における注意事項

2006年4月に入院して行う食物経口負荷試験が保険適応となり、2008年4月からは外来における食物経口負荷試験に対しても適応が拡大された。基準を満たした施設※において9歳未満の患者に対して年2回保険点数で1,000点の診療報酬が得られる。外来における食物経口負荷試験は観察時間が短いため、対象を選んでより慎重に行う必要がある。

※小児食物経口負荷検査の施設基準

  1. 小児科を標榜している保険医療機関
  2. 小児食物アレルギーの診断及び治療の経験を10年以上有する小児科を担当する常勤の医師が1名以上配置されている。
  3. 急変時等の緊急事態に対応するための体制その他当該検査を行うための体制が整備されている。

参考資料

対象平均年齢:5.6 ± 0.1y(平均±SEM)

  • データは陽性者数/症例数 (陽性率)として提示。
  • 食物経口負荷試験患者のうちで各検査を行っている人数が異なる。
  • イムノキャップ®はクラス2以上を陽性とした。
海老澤元宏 平成22年度厚生労働科学研究班報告書