栄養食事指導
詳細は「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017」を参照
食物アレルギーの栄養食事指導は診療と並行して下記指導項目に基づき継続的に行う。なお、栄養食事指導には管理栄養士が関与することが望ましい。
- 除去すべき食品、食べられる食品など食物アレルギーに関する正しい情報を提供する。
- 除去食物に関して摂取可能な範囲とそれに応じた食べられる食品を示す。
- 過剰な除去に陥らないように指導し、食物アレルギーに関する悩みを軽減、解消する。
指導のタイミング
- 診断後(完全除去、部分解除、完全解除時)
- 患者(保護者)から食事に関する相談を受けたとき
- 定期的な食事指導(除去解除できるまで)
指導のポイント
- 必要最小限の除去の考え方
- アレルゲン性について(加熱、発酵による変化)
- アレルギー物質を含む食品表示について
- 栄養面での代替のための具体的な食品(特に牛乳アレルギーの場合のカルシウム補給)
- 調理上の注意点
指導時の留意点
- 食物アレルギー発症や悪化を心配して離乳食の開始を遅らせる必要はない。
- 小麦アレルギーの醤油、大豆アレルギーの醤油・味噌等、以下の表に示すものは多くの患者が使用できる。患者の生活の質の向上のためにも、除去指示する場合は慎重に行なう。
- 栄養食事指導を受けていても、牛乳を除去している場合はカルシウムが所要量に達しないことが多いので、牛乳アレルゲン除去調製粉乳等を代用することが重要である。
池田有希子 他. 日本小児アレルギー学会誌 2006; 20: 119-26. - 食物アレルギーの栄養食事指導料については、外来・入院ともに9歳未満の患者に対して初回月260点(2回目以降200点)の診療報酬が得られる。
※1 一部の重症小麦アレルギーの場合は、大麦との交差抗原性により麦茶で誘発されることがある。
※2 カバノキ科花粉(シラカンバ、ハンノキ、オオバヤシャブシ等)アレルギーによって発症した大豆アレルギーの場合は、緑豆もやしで症状が誘発されることがある。