治療・管理(主に耐性獲得を目指す小児の場合)

必要最小限の除去とは

  1. 食べると症状が誘発される食物だけを除去する。
    “念のため”、“心配だから”といって、必要以上に除去する食物を増やさない。
    検査から原因と疑われ除去している場合には、必要に応じて食物経口負荷試験を実施し、診断を確定する。
  2. 原因食物でも、症状が誘発されない “食べられる範囲” までは食べることができる。
    “食べられる範囲”の量を除去する必要はなく、むしろ“食べられる範囲”までは積極的に食べるように指示することが望ましい。

食物経口負荷試験の結果に基づいた管理法

結果が陽性の場合(症状が出た場合)

  • 食物経口負荷試験を実施する前の食生活が継続される。ただし、食物経口負荷試験で出現した症状の重症度と症状を誘発した摂取量を加味して、“食べられる範囲”で部分的な除去解除を指導することもある。または、6ヶ月~1年程度あけて、再度同じ量の食物経口負荷試験を考慮する。
  • 少量の食物経口負荷試験で症状が出た場合には、たとえ出現症状が軽症であっても摂取の許可は慎重に判断する。

  • 総負荷量を超えない範囲で自宅で繰り返し摂取し、症状が誘発されないことを確認する。
  • 少量や中等量の食物経口負荷試験が陰性の場合、自宅で症状が誘発されないことを確認した後、それより多い摂取量の食物経口負荷試験(少量なら中等量、中等量なら日常摂取量)を行う。
    Yanagida N, et al. J Allergy Clin Immunol Pract 2018 in press
  • 総負荷量を超えて自宅などで少しずつ摂取量を増やすことは危険であるため、基本的に、食べたことがない量の摂取は医療機関で食物経口負荷試験を実施して確認する。

除去解除の指示

  • 定期的に食物経口負荷試験を実施することで、段階的に食べられる範囲が広がる。最終的に日常摂取量を食べられることが確認できれば除去解除とする。
  • はじめは自宅のみで除去解除とするが、体調不良や食後の運動、入浴などで症状が誘発されないことを確認できれば自宅以外でも除去解除とする。
食物アレルギー診療ガイドライン 2017